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子どもの将来を考えるとき、学力だけでなく「生きる力」を育てたいと願う保護者は多いでしょう。
近年、教育現場で注目されているのが「非認知スキル」です。忍耐力、協調性、自己管理能力、目標達成力といった、テストでは測れない能力のこと。これらは将来の成功や幸福度に大きく影響すると言われています。
実は、音楽教育がこの非認知スキルの育成に極めて効果的であることが、数々の研究で明らかになっています。ピアノやバイオリンを習うことは、単なる演奏技術の習得にとどまらず、子どもの人格形成や社会性の発達に深く関わっているのです。
本記事では、音楽教育と非認知スキルの関係性について、最新の研究データをもとに徹底解説します。
目次
非認知スキルとは何か?なぜ重要なのか
非認知スキルとは、IQや学力テストでは測定できない能力の総称です。
具体的には、自己抑制力、コミュニケーション力、主体性、向上心、忍耐力、協調性、自己管理能力、目標達成力などが含まれます。これらは「生きる力」とも呼ばれ、子どもたちが学び、成長し、社会で活躍する上での基礎となる力です。
文部科学省も「生きる力」という言葉を使い、今の社会で自分らしく生きていくためには非認知能力を高めることが必要だと指摘しています。AI化が進み、常に変化し続ける時代を生きる子どもたちにとって、非認知能力は不可欠な資質なのです。

認知能力と非認知能力は相互補完する
重要なのは、認知能力と非認知能力は対立するものではなく、相互に補い合って高まるという点です。
幼児期など発達の初期において認知能力が育っていく土台として、非認知能力を育成しておくことは非常に重要です。認知能力を獲得する過程において、その基盤になる素地が非認知能力であり、それがどのように獲得できているかが、その後の成長に大きく関わってくると考えられています。
非認認知能力を育む土壌は「信頼関係」
非認知能力を醸成する重要な要素の一つは信頼関係です。
安心して失敗できる人間関係が必要であり、親子関係における「アタッチメント(愛着)」という概念が重要になります。特定の他者との絆が安心、安全のエネルギーを備給する基地として機能することで、子どもは外界の探索に出ることができます。
セキュア・ベース(安全基地)で安心のエネルギーを得ることによって、外界の困難に立ち向かったり、未知の世界を探求したりすることができるのです。
音楽教育が非認知スキルを育むメカニズム
音楽教育は、非認知スキル育成に大きな効果があることが研究で証明されています。
では、なぜ音楽を学ぶことが非認知スキルの向上につながるのでしょうか。そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。
「よりよいもの」を追求する態度を養う
音楽という科目の存在意義の一つは、「『よりよいもの』を追求する態度を養うこと」にあります。
算数や理科といった教科では、基本的に「正解」があるという前提で、その「正解」に至るための考え方や道筋を学びます。しかし音楽に唯一無二の「正解」というものはありません。西洋音楽には楽譜も存在しますが、その曲を「どう表現するか」は歌い手、あるいは弾き手に委ねられている部分が大きいのです。
常に「よりよく」その曲を表現するための方法を考えることが求められ、「よりよいもの」の追求には際限がありません。そこに、音楽という芸術教科を通してしか学べないことがあると考えられています。

音楽の「同期させる力」が育むもの
音楽には「同期させる力」があります。
合奏や合唱では、他者と呼吸を合わせ、リズムを共有し、ハーモニーを作り上げる必要があります。この過程で、子どもたちは自然と協調性やコミュニケーション力を身につけていきます。
また、音楽を聴いて、歌って、弾いて、楽譜で確認するというプロセスを通じて、聴覚がぐんと伸びる幼児期に「きく」力を養うことができます。4、5歳の時期は、たくさんの音楽を体験することで、豊かな「音感」が育まれる時期です。音感とは、ドレミ、拍子、リズム、強弱、調など、音楽を形づくるさまざまな要素を聴き取る力のことです。
「自分で考える」「自分で選ぶ」力を育てる
従来の「教え込む」指導方法とは異なり、生徒が自分自身で考え、音楽の中で主体的に成長していけるようサポートする指導方法が注目されています。
レッスンでは、ただ楽譜通りに弾くことを目標とするのではなく、演奏後に生徒が自分自身の演奏を振り返り、どこが良かったのか、どこを改善できるのかを考えてもらいます。このプロセスを通じて、技術の向上だけでなく、問題解決力や創造的な思考力も養われます。
さらに、生徒自身が練習内容や目標を決め、自己管理能力を高めていくことを大切にすることで、個々のペースに合わせて学びを進めるため、自信を持って音楽に向き合うことができ、モチベーションも高まります。
研究データが示す音楽教育の効果
音楽教育が非認知スキルに与える影響は、単なる理論ではありません。
実際の研究データが、その効果を裏付けています。ここでは、具体的な研究成果を紹介します。
音楽系の習い事で得られる「幸福度」
音楽系の習い事をしている子どもたちは、演奏技術だけにとどまらず、感性、創造性や人を思いやる心、集中力、忍耐力といった「非認知能力」も向上させることが明らかになっています。
60年以上前から日本の音楽教育をリードしてきたヤマハ音楽教室の指導方法は、総合音楽教育として「きく」「うたう」「ひく」「よむ」「つくる」といった要素を総合的に学ぶことを通して、子供たちの豊かな感性や創造性、表現力といった、いわゆる「非認知能力」につながる力を育むことが確認されています。

非認知能力の定量的測定と育成支援
近年、児童・生徒の非認知能力を定量的に測定し、そのデータをもとに教員が育成に活かす方法を学べる教育支援プログラムも開発されています。
Institution for a Global Society株式会社が提供する「Ai GROW(アイ・グロー)」は、国内で累計有償導入約500校の実績があり、児童・生徒の非認知能力測定に加え、教員がデータを授業や指導計画に活かすための短期トレーニングを提供しています。
このような取り組みにより、音楽教育を含む様々な教育活動が非認知能力に与える影響を客観的に評価し、より効果的な指導方法を開発することが可能になっています。
出典
Institution for a Global Society株式会社「児童・生徒の非認知能力を測り、育成に活かす教育支援プログラム」
(2025年)より作成
音楽教育における「適期教育」の重要性
生徒の身体的・精神的な発達段階に応じ、その時期にふさわしい教育を受けること、いわゆる「適期教育」が重要です。
特に、音楽的聴感覚の発達する幼児期の指導方法では、「きく」ことを重視することが効果的です。4、5歳の時期は、たくさんの音楽を体験することで、豊かな「音感」が育まれます。楽しみながら音感を身につけることで、子供たちは”音楽で自分を表現する”ことへの意欲や興味をふくらませていきます。
幼児期は、生きていく上で必要なことすべてを、大人の真似をしながら学んでいきます。言葉を覚える能力が一気に高まる時期でもあり、この本能的な模倣性を活用して、言葉を覚えるのと同じように音楽的な要素を学んでいくことが、一番自然に音楽を自分の中に取り込める方法なのです。
実践事例:音楽教育で育つ非認知スキル
理論だけでなく、実際の教育現場でどのように非認知スキルが育まれているのか。
具体的な事例を通じて、音楽教育の実践的な効果を見ていきましょう。
「音楽で遊べる子供たち」を目指す指導
ヤマハ音楽教室では、「すべての人がもっている音楽性を育み、自ら音楽をつくり、演奏し、楽しむことの出来る能力を育て、その音楽の歓びを広くわかちあう」という理念のもと、子どもたちが音楽と戯れるような指導を実践しています。
同じテーマを、子どもたち各々のアレンジで演奏する様子は、まさにこの理念を体現しています。オリジナルの演奏を、周囲に臆することなく主張できることは、自分の好きなものをみんなの前で表現する力があるということであり、非常に素晴らしいことです。
個性と考える力を重視した指導アプローチ
静岡市駿河区の井上音楽教室では、元教員の経験を活かし、従来の「教え込む」指導方法とは異なる、生徒一人ひとりの「個性」と「考える力」を重視した音楽教育を提供しています。
この教室の最大の特徴は、音楽教育とコーチングを融合させた指導アプローチです。レッスンでは「自分で考える」「自分で選ぶ」ことを重視し、生徒が自身の演奏を振り返り、良かった点や改善点を自ら見つける力を育てます。これにより、単なる演奏技術の向上だけでなく、自己表現力や自信といった非認知能力の育成も目指しています。

「第3の場所」としての音楽教室
井上音楽教室は単なる音楽教室ではなく、「学校でも家庭でもない、自分らしくいられる第3の場所」としての役割も担っています。
12年間学校現場で子どもたちと向き合った経験から、「一人ひとりが安心して成長できる環境」の大切さを実感し、学校生活が合わないと感じている子どもたちや、少しだけ学校や家庭から距離を置きたい子どもたちにとって、音楽を通じて自分を表現できる安心できる居場所を提供しています。
このような環境で音楽を学ぶことで、子どもたちは安心して笑顔を取り戻し、自信を持って未来に向かえるよう、一人ひとりに寄り添ったサポートを受けることができます。
家庭でできる音楽を通じた非認知スキル育成
音楽教室に通うだけでなく、家庭でも音楽を通じた非認知スキルの育成は可能です。
保護者ができるサポート方法を具体的に紹介します。
オンライン練習室の活用
「練習をどう始めたらいいかわからない」「一人では続かない」「親が付き添えない」といった悩みを抱える家庭には、オンライン練習室の活用がおすすめです。
オンライン練習室は、お子さまが自分のペースで音楽を楽しみながら、先生や仲間とつながる安心の場を提供します。決して一人で練習を頑張らせるのではなく、オンラインを通じて自然と練習に取り組む意欲を引き出します。
家にいながら参加可能で、移動の手間がなく、お子さまが安全に練習できます。先生や仲間と一緒に進めることで、自分から練習に取り組む習慣が身につき、保護者が付き添わなくても大丈夫なので、忙しい親御さんも安心して見守れます。
保護者向けサポート体制の活用
お子さまのことについて、学校に相談しにくいことや、勉強・子育ての悩みなどがある場合、音楽教室の保護者向けサポートを活用することも有効です。
コーチングのスキルを活用した専用LINEを通じた相談対応を行っている教室もあり、学校との付き合い方のアドバイス、子どもの気持ちを理解するためのヒント、家庭でできる音楽を通じたリラックス方法など、保護者の悩みにも寄り添うサービスを提供しています。
日常生活に音楽を取り入れる工夫
特別なレッスンだけでなく、日常生活に音楽を取り入れることも大切です。
朝の準備時間に好きな音楽をかける、一緒に歌を歌う、リズムに合わせて体を動かすなど、音楽を楽しむ時間を作ることで、子どもの音楽への興味を自然と育むことができます。
また、子どもが自分で曲を選んだり、好きな楽器を試したりする機会を与えることで、主体性や自己決定力を育てることにもつながります。
まとめ:音楽教育は「生きる力」を育む
音楽教育は、単なる演奏技術の習得にとどまりません。
忍耐力、協調性、自己管理能力、目標達成力など、将来の成功に不可欠な非認知スキルが音楽学習を通じて自然と身につくことが、数々の研究データで証明されています。
「よりよいもの」を追求する態度、音楽の「同期させる力」、「自分で考える」「自分で選ぶ」力。これらは音楽教育を通じて育まれる貴重な能力であり、AI化が進む現代社会を生き抜くための「生きる力」そのものです。
幼児期の適期教育、信頼関係を基盤とした学習環境、そして家庭でのサポート。これらが組み合わさることで、音楽教育は子どもたちの人格形成や社会性の発達に深く貢献します。
音楽を通じて、ただ演奏スキルを学ぶだけでなく、生きる力を育む。そんな音楽教育の可能性を、ぜひ多くの保護者に知っていただきたいと思います。
お子さまの非認知能力を音楽教育で育てたい方へ
井上音楽教室では、音楽教育とコーチングを融合させた独自の指導方法で、お子さま一人ひとりの「個性」と「考える力」を大切にしながら、非認知能力を育むレッスンを提供しています。元教員の経験を活かした、安心できる「第3の場所」で、お子さまの成長をサポートします。
詳しくは、井上音楽教室の公式サイトをご覧ください。





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