![]()
「今日も練習しなさい!」と毎日声をかけるのに疲れていませんか?
子どもの音楽練習を習慣化するのは、多くの保護者が直面する大きな課題です。ピアノやバイオリンなどの楽器は、毎日の積み重ねが上達の鍵となりますが、子どもにとって練習は時に退屈で面倒なもの。強制すれば音楽そのものが嫌いになってしまうかもしれません。
本記事では、行動科学に基づいた習慣化のメカニズムと、家庭で実践できる具体的な方法を詳しく紹介します。決まった時間に練習する、小さな目標を設定する、達成感を共有するなどの工夫を通じて、強制ではなく自発的な習慣づくりを目指しましょう。
目次
なぜ音楽練習が続かないのか?3つの原因を理解する
習慣化の方法を知る前に、まず「なぜ続かないのか」を理解することが重要です。
子どもが音楽練習を続けられない理由は、決して「やる気がない」だけではありません。実は、環境や目標設定、そして大人の関わり方に原因があることが多いのです。
目的が明確でない
「練習しなさい」と言われても、子どもは何のために練習するのかわかっていないことがあります。
ただ「勉強する」「運動する」「ピアノを弾く」という抽象的な目標では、子どもは意欲を持てません。「あの曲が弾けるようになりたい」「発表会で上手に演奏したい」といった具体的な目標がないと、練習の意味を見出せないのです。

難易度が高すぎる
子どもの実力に合わない難しい課題ばかりでは、やる気を失ってしまいます。
ひらがなが書けるようになったばかりの子どもに、いきなり正しい書き順できれいに書かせようとしても上手くいきません。音楽も同じで、基礎ができていないのに難しい曲に挑戦させると、失敗が続いて諦めたくなるものです。大人は子どもに合った取り組みのレベルを見極める必要があります。
練習しやすい環境が整っていない
好きなことなら環境に関わらず意欲的に取り組めることもありますが、苦手なことを習慣化するには、そのための環境づくりや工夫が必要です。
続けるための環境が整っておらず、気分次第でやったりやらなかったりと一貫しない状況では、習慣化は難しいでしょう。特に小さな子どもの習慣づけには大人のサポートが不可欠なのです。
習慣化の科学:なぜ「毎日同じ時間」が効果的なのか
習慣化には科学的な裏付けがあります。
人間の脳は、同じ行動を繰り返すことで、その行動を「自動化」する性質を持っています。これを神経科学では「習慣ループ」と呼びます。習慣が形成されると、意識的な努力なしに行動できるようになるのです。
習慣形成には約2ヶ月かかる
習慣化には約66日かかると言われています。
最初の1〜2週間は意識的な努力が必要ですが、3週間を過ぎると徐々に楽になり、2ヶ月を超えると「やらないと気持ち悪い」という状態になります。この期間を乗り越えることが、習慣化の最大のポイントです。
決まった時間に練習する効果
毎日同じ時間に練習することで、その時間には「音楽練習をする」という習慣を脳に組み込むことができます。
食事やお風呂のように、毎日するのが当たり前という状況になるのが理想です。人間は習慣化したことをある日突然止めると、なんとなく気持ち悪さを感じたり、違和感を感じたりするもの。この習性を活かして練習をルーティン化できれば、練習が苦ではなくなり、むしろ練習しないとなんとなく落ち着かなくなるのです。

実践!子どもの音楽練習を習慣化する5つの方法
それでは、具体的にどうすれば習慣化できるのでしょうか?
ここからは、家庭ですぐに実践できる5つの方法を紹介します。どれも科学的根拠に基づいた効果的な手法です。
1. 少しの時間でも毎日楽器に触れる
最初のうちは、5分でも構いません。
長時間の練習を週に数回よりも、少しの時間でも良いので毎日楽器を触ることが大切です。小さいお子さんは上達させることよりも、毎日の練習習慣をつけることを目的にしましょう。練習習慣が身に付くと自分から練習してくれるようになり、将来保護者の方の負担がグッと減ります。
2. 生活リズムに練習を組み込む
時計が読めない小さいお子さんでも理解できるように、日々の習慣と音楽練習をセットにすると良いです。
例えば「歯磨きの後に練習」「ご飯の前に練習」「おやつの前に練習」など。これだと小さなお子さんにも理解しやすいですし、生活リズムの中に組み入れて習慣化しやすいです。お家の方が管理するのではなく、お子さん自身が練習を意識できる仕組みがあれば楽になります。
3. 練習しやすい環境を整える
すぐに取り掛かれるような環境を整えておくと、途中で心変わりしにくいです。
楽器の用意がしてある、楽譜が開いている、テレビやゲームの音が聞こえない静かな環境、おもちゃが片付いている——こうした環境づくりが重要です。意外と効果があるのは楽器を弾けるように用意をしておくこと。楽器を用意することは時間がかかるし小さい子供にとっては結構大変なんです。用意している間に練習が嫌になったり、違うことに興味が逸れることもあります。
4. ポジティブな声がけを心がける
「練習しなさい!」という命令形ではなく、子どもの気分が乗るような声がけがおすすめです。
「ママ、〇〇ちゃんの演奏聞きたいな」「昨日練習頑張ったね、今日も練習しているところ見たいな」「先生がレッスンで褒めてくれてたね、あの部分聞かせてよ」といったポジティブな言葉を使いましょう。急に「今から練習だよ!」と命令すると拒否感を持ってしまうので、次の行動とセットで予告するのも効果的です。
5. 小さな目標と達成感を共有する
前向きに取り組むために、明確な目標を子どもと一緒に決めましょう。
「ピアノであの曲を弾けるようになる」「ひらがなを全部読めるようになる」といった目標を決めるとき、その目標が達成できたらどのような楽しいことが待っているか、子どもに伝えるのが大切です。「大好きなあの曲が弾けるようになったら、ママも一緒にうたうね」という具合に声をかけ、「できるようになりたい!」と子ども自身が思えるような目標を立てましょう。

練習を嫌がるときの対処法:ゲーム感覚で楽しむ工夫
「今日は練習したくない!」と言われること、きっとあると思います。
そんな時は子供が拒否感を持たないように、さりげなく楽器に誘導しましょう。練習のハードルを下げること、楽器をゲーム感覚で楽しむことが効果的です。
楽器を使ったミニゲーム
例えば、バイオリンを10秒あごで挟むチャレンジ、右腕を伸ばすゲーム、曲をノリノリで歌う、ママと一緒にリズムをたたく、音符カードでママと音符読み競争——こうしたゲームで気分を盛り上げます。
気分が乗ってきたら「これできる?」「昨日上手だったところ聞かせてよ」と自然に練習に移行しましょう。
弾きたい曲を弾かせる
練習を嫌がらなくなった一番の理由は、子どもが本当に弾きたい曲を練習することです。
好きなアニメの主題歌や流行りの曲など、子どもがハマっていてすごく弾きたがっていた曲を選ぶと、「練習しなきゃ」ではなく「練習って楽しい!」と思える環境が生まれます。自分の実力に対して弾きたい曲の難易度が合っていないときもありますが、簡単にアレンジされた楽譜で弾いても良いし、努力して実力を上げても、どちらでも良いのです。
保護者のサポートが習慣化の鍵:付き添いと見守りのバランス
子どもの音楽練習において、保護者の関わり方は非常に重要です。
しかし、「先生や親がついてないと練習できない」状態にしてしまうのは避けたいところ。自分で楽譜を読む、音を聴き取るソルフェージュ力がない、朝起きるなどの基本的生活習慣がない、といった理由で練習が続かないこともあります。
自主性を育てる関わり方
練習に付き添うことは大切ですが、あまり口を出しすぎると嫌がられることもあります。
本人が「見ててほしい」というときだけ楽器のそばで見守るようにする、「先生はどうしてた?」など、レッスンを思い出せるような声かけをする——こうした工夫で、子どもの自主性を育てることができます。
練習記録で成果を見える化
本人のやる気アップのために、練習記録のノートをつけて、できたら好きなシールを貼るようにする方法も効果的です。
時間をはかるのにキッチンタイマーを使う、練習時間は30〜40分くらいにする——こうした工夫で、子どもが自分の成長を実感できるようになります。体調不良になった時など、練習の習慣が元のペースに戻るのに時間がかかることもありますが、ペースが戻るまでは、自信をもって弾ける曲など得意なことを優先すると良いでしょう。

専門家のサポートを活用する:オンライン練習室という選択肢
「練習をどう始めたらいいかわからない」「一人では続かない」「親が付き添えない」——そんなお悩みを抱えるご家庭には、専門家のサポートを活用する方法もあります。
例えば、オンライン練習室では、先生が優しく見守りながら、お子さまのペースに合わせた練習環境を整えています。仲間と一緒に取り組むことで、練習が楽しい「日常」の一部になります。家にいながら参加可能で、保護者が付き添わなくても大丈夫なので、忙しい親御さんも安心して見守れます。
個性と考える力を重視した指導
従来の「教え込む」指導方法とは異なり、生徒が自分自身で考え、音楽の中で主体的に成長していけるようサポートする指導も注目されています。
ただ楽譜通りに弾くことを目標とするのではなく、演奏後に生徒が自分自身の演奏を振り返り、どこが良かったのか、どこを改善できるのかを考えてもらう——このプロセスを通じて、技術の向上だけでなく、問題解決力や創造的な思考力も養われます。
音楽教育とコーチングを融合させた指導方法では、生徒自身が練習内容や目標を決め、自己管理能力を高めていくことを大切にしています。個々のペースに合わせて学びを進めるため、自信を持って音楽に向き合うことができ、モチベーションも高まります。
まとめ:習慣化は一生の財産になる
子どもの音楽練習を習慣化することは、単に楽器が上手になるだけではありません。
毎日コツコツと取り組む習慣は、勉強やスポーツ、将来の仕事においても役立つ一生の財産となります。「習慣化されるもの」が多い人ほど優秀だという研究結果もあります。
習慣化のポイントは、少しの時間でも毎日楽器に触れる、生活リズムに練習を組み込む、練習しやすい環境を作る、ポジティブな声がけをする、ゲームの要素を取り入れる——この5つです。最初の2ヶ月が最も大変ですが、この期間を乗り越えれば、子どもは自分から練習するようになります。
続けることは、パワーが必要ですが大切に育てた芽はきっと大きな花になります。日頃の練習にご協力くださるお家の方には本当に感謝しかありません。困ったことも嬉しいことも、専門家に相談しながら、楽しく習慣化を進めていきましょう。
音楽を通じて、ただ演奏スキルを学ぶだけでなく、生きる力を育む——そんな音楽教育を目指してみませんか?
詳しくはこちら
https://i-musichool.com/




コメント