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子どものピアノが上達しない理由とは?
「毎日練習させているのに、なかなか上達しない…」
ピアノを習わせている親御さんなら、一度はこんな悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。子どもの成長を願って始めたピアノレッスンですが、思うように上達が見られないと、親子ともに焦りや不安を感じてしまいます。
実は、ピアノの上達が停滞する理由には、練習方法や環境、そして子どもの心理状態など、さまざまな要因が隠れています。これらを正しく理解することが、上達への第一歩となるのです。
練習時間が不足している
ピアノが上達しない最も基本的な理由は、単純に練習時間が足りていないことです。週に1回のレッスンだけでは、技術を身につけることはできません。
小学生の場合、最低でも1日15〜30分の練習が必要です。曲の難易度が上がるにつれて、必要な練習時間も自然と増えていきます。
「うちの子は毎日練習しているのに…」と思われるかもしれませんが、実際に時計で測ってみると、想像よりも短い時間しか練習できていないことがよくあります。
練習の質が低い
練習時間を確保できていても、その内容が効果的でなければ上達は望めません。
「間違えようが止まろうが、最初から最後まで5回通して弾く」
これは最悪の練習パターンです。この方法では、間違いを繰り返し練習することになり、同じミスを何度も繰り返す悪循環に陥ります。
効果的な練習とは、難しい部分を集中的に取り組み、正しい奏法を身につけることです。レッスンで指摘された点を理解し、それを意識した練習が上達への近道となります。
ピアノへの興味が薄れている
子どもがピアノ自体に興味を持っていないと、上達は難しくなります。「練習が嫌い」なのはよくあることですが、「ピアノが嫌い」となると問題です。
興味がない状態とは、練習を嫌がるわけではないのに、楽しそうでもなく、弾けても喜ばない様子が見られることです。このような場合、無理にピアノを続けさせるよりも、子どもの音楽との関わり方を見直す時期かもしれません。
歌うことや踊ることが好きな子どもなら、リトミックや合唱など、別の形で音楽に触れる機会を提供することも一つの選択肢です。
環境要因で上達が妨げられるケース
子どもの努力だけでは解決できない、環境的な要因も上達を妨げることがあります。
ある日、私のレッスン生の男の子が練習の成果をまったく見せないまま教室にやってきました。「どうして練習しなかったの?」と尋ねると、彼は小さな声でこう答えたのです。
「家で練習しようとすると、お母さんがすぐに『間違ってる!』って言うから、もうやる気が出ないんだ…」
この言葉を聞いて、環境要因の重要性を改めて実感しました。
適切な楽器環境がない
電子ピアノでの練習は、本物のピアノとは異なる感覚で弾くことになります。特に安価な電子ピアノでは、鍵盤のタッチや音の響きが大きく異なるため、レッスンで習った感覚と家での練習感覚にギャップが生じます。
また、調律が行き届いていないピアノも問題です。音が正確に出ないピアノで練習を続けると、正しい音感が育ちません。
理想的には、定期的に調律されたアコースティックピアノで練習することが望ましいですが、難しい場合は、鍵盤のタッチ感や音質が本物に近い電子ピアノを選ぶことも一つの解決策です。
親子関係のストレス
ピアノを巡る親子バトルは、上達を妨げる大きな要因になります。
「練習してほしいのに反抗して全くしてくれない」
このような状況は、特に小学校3年生から思春期にかけてよく見られます。親の焦りや期待が強すぎると、子どもは反発心からピアノから遠ざかってしまうことがあるのです。
親の気持ちと子どもの気持ちのギャップが大きくなるほど、バトルは激しくなります。「ピアノは毎日練習しないとダメ」「お月謝が勿体ない」という親の思いと、「友達と遊びたい」「毎日弾くのは面倒くさい」という子どもの気持ちが衝突するのです。
効果的な上達のための打開策
ピアノが上達しない原因が分かったところで、次は具体的な打開策を見ていきましょう。
私が12年間の学校教育現場での経験と、音楽教室での指導を通じて効果的だと感じた方法をご紹介します。
練習の質を高める具体的方法
効果的な練習のポイントは、「集中練習」と「片手練習」です。
集中練習とは、曲全体を通して弾くのではなく、間違いやすいフレーズや弾けない部分を抜き出して、その部分だけを繰り返し練習することです。複数の難所がある場合は、最も難しい箇所から取り組むと効率的です。
片手練習も非常に重要です。子どもにとっては退屈に感じるかもしれませんが、右手と左手をそれぞれ確実に覚えることで、両手で弾く際の安定感が格段に向上します。
また、楽譜への書き込みも積極的に行いましょう。間違えやすい箇所や先生からの指摘事項を楽譜に書き込むことで、練習の効率が上がります。
子どものやる気を引き出す環境づくり
ピアノ練習が楽しいと思えるような環境づくりが大切です。「練習しなさい!」と厳しく言うのではなく、「今日のピアノ、聴かせてくれる?」と優しく促してみましょう。
練習中は、子どもが懸命に頑張っている様子が見られたら、親が口出しをしない方が良いでしょう。弾けるようになったら、「すごい!」「頑張ったね!」と一緒に喜んであげることが大切です。
親がピアノを弾ける場合は、子どもの練習曲を演奏して見せるのも効果的です。親が楽しそうに演奏する姿を見ることで、「あんな風に弾けるようになりたい!」というモチベーションが高まります。
また、家庭でクラシック音楽を日常的に聴く習慣をつけることも重要です。子ども自身が自発的にピアノ曲を聴くことは少ないので、親が積極的に良質な音楽に触れる環境を作りましょう。
「自分で考える力」を育てる指導法
従来の「教え込む」指導方法とは異なり、「自分で考える」「自分で選ぶ」ことを重視した指導法が効果的です。
レッスンでは、ただ楽譜通りに弾くことを目標とするのではなく、演奏後に自分自身の演奏を振り返り、良かった点や改善点を自ら見つける力を育てることが大切です。
このプロセスを通じて、技術の向上だけでなく、問題解決力や創造的な思考力も養われます。また、自己管理能力も高まり、自信を持って音楽に向き合えるようになります。
「どうすれば良くなると思う?」「ここはどんな気持ちで弾きたい?」など、子ども自身に考えさせる質問を投げかけることで、主体的に音楽と向き合う姿勢が育まれます。
練習を継続させるための工夫
ピアノ上達の鍵は継続です。しかし、子どもが自発的に練習を続けるのは容易ではありません。そこで、練習を習慣化するための工夫を紹介します。
オンライン練習室の活用
「一人では練習が続かない」「親が付き添えない」といった悩みを抱えるご家庭には、オンライン練習室の活用がおすすめです。
オンライン練習室では、先生や仲間と一緒に練習することで、自然と練習に取り組む意欲が引き出されます。家にいながら参加でき、保護者のサポートがなくても大丈夫なので、忙しい親御さんも安心です。
仲間と励まし合いながら練習することで、「練習しなきゃ」という義務感ではなく、「練習って楽しい!」という前向きな気持ちが育まれます。
音楽体験の幅を広げる
ピアノの上達には、様々な音楽体験が欠かせません。親子でコンサートに出かけたり、音楽イベントに参加したりすることで、音楽の楽しさや奥深さを実感できます。
また、音楽配信サービスを活用して、様々なジャンルの音楽に触れることも大切です。好きな曲ができれば、その曲を弾きたいという意欲が自然と湧いてきます。
音楽が「楽しみ」「喜び」となることで、ピアノの練習も苦にならなくなるのです。
第三の居場所としての音楽教室
子どもたちにとって、音楽教室は「学校でも家庭でもない、自分らしくいられる第3の場所」となり得ます。
特に学校生活が合わないと感じている子どもや、少し学校や家庭から距離を置きたい子どもにとって、音楽を通じて自分を表現できる安心できる居場所は貴重です。
ただ「教える」だけではなく、子どもたちの気持ちに寄り添い、「自分で考え、自分で進む力」を育てることで、音楽の技術だけでなく、生きる力も養われていきます。
音楽は、心の扉を開き、自分自身を表現するための素晴らしいツールです。子どもたちが安心して笑顔を取り戻し、自信を持って未来に向かえるよう、一人ひとりに寄り添ったサポートが大切なのです。
まとめ:子どものピアノ上達を支える親の役割
子どものピアノが上達しない原因は、練習時間の不足や質の低さ、興味の薄れ、環境要因など様々です。これらを理解した上で、適切な対策を講じることが大切です。
効果的な練習方法を身につけ、子どものやる気を引き出す環境を整え、「自分で考える力」を育てる指導法を取り入れることで、ピアノの上達を促すことができます。
また、オンライン練習室の活用や音楽体験の幅を広げることで、練習の継続を支援することも重要です。
最も大切なのは、ピアノを通じて子どもの「個性」と「考える力」を大切にし、音楽の喜びを共有することではないでしょうか。
子どもが自分らしく音楽を楽しみ、成長していける環境づくりに、ぜひ取り組んでみてください。
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